2010年2月19日金曜日

日本人の成功哲学-2

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さて、前回の続きを書くことにしましょう。
前回は「西洋の成功法則」と「日本の成功法則」は全く違っているという話をいくつか紹介しました。
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また、私自身がそうなのですが、やはり「日本人」にとって「成功論の本を読んでいる姿」を他人に見られたくないという心理が働いているという話も紹介しました。
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インターネット上では「成功テクニック」などといったものが売買されているようですが、こういうものが「書籍化されベストセラーになった」という話を聞いた事がありません。
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本当に「成功」するのであれば、それが大きな話題にもなるでしょうから、書籍化されるか・・・はたまた驚くほどの値段に跳ね上がるといったニュースがweb上で流れても不思議ではありません。
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しかし、そういう実例があった・・・という話をほとんど耳にしないことは、本当に不思議だと思ってしまうのです。
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日本での「成功」というものは、そもそも「成功し続けること」であり、成功したことを表に明かさないことで「村の人気者」を作り上げてきた文化があります。
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西洋では、まず「自己アピール」して目立つところから始まります。プロレスでもボクシングでも、まず「オレはこんなに強い。相手は大して強くない。」というプレゼンテーションが戦いの前に繰り広げられます。
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しかし、こんなことを日本人が日本人の前でやってしまうと「あいつはバカだ。最低だ」と罵られ、一度に「悪役」のレッテルを貼られてしまいます。
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西洋人のマネをして悪役となり、結局は「みなさま」「おかげさま」というようになったボクシングの亀田選手の言動の変化は記憶に新しいのではないでしょうか。
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日本人が、西洋流の成功論と同じような成功法則を書けないのは、私たちが西洋的な価値観を持っていないからです。それは、数日前に書いた内容なので、ここでは割愛しますが・・・
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とはいえ、西洋流の成功法則の本が売れているのは、私たち日本人が西洋文化に覆いに感化されてしまっているからでしょう。
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成功したいという欲望は、人間なら誰でも持っているものでしょう。しかし、日本では、そのような気持を「表に出してはいけない」という価値観が存在しています。
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そういう精神環境で育ってきてしまっているからです。そのことを、私たちは、すぐに忘れてしまう傾向にあります。
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つまり「西洋の成功論」を「日本の価値観に置き換えて考えるクセ」をつけなければならないのですが・・・
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テレビやインターネットなどのメディアの価値観が、実に西洋化してきてしまっているために、どうしても「実態」を忘れてしまいやすくされているようにも感じるのです。
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結果「成功論を読んだけれど、成功しない」・・・ヘタをすると「ひんしゅくを買ってしまった・・・」ということになりかねないのです。
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事実、私も若いころは、そこの肝心な部分を誤解していました。とにかく自分の才能をのばしさえすれば良いと、そのことばかり考えていたのです。
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しかしながら、そのように考えるのは「実に西洋かぶれした感覚」で、日本人に拒絶され、悪役という立場に陥りやすい「個人主義的考え方」だったのです。
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日本の社会では、「みんなで仲良くする」ということが一番だったのです。一緒に働き、一緒に飲みに行く。どんなことでも一緒に仲良くやり、集団で動くことが必要だったのです。
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現在では、社員旅行や社内のレクリエーションなどというものは激減しているようですし、そういうことに「参加したくない」という「私の若いころのような感覚を持った人」が増えてきているようですが・・・
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私の若いころと変らず、結局、会社や世の中からの評価は、ちっとも上らない・・・という結果を招いているだけの話のようです。
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事実、私もそういう「組織の中」で「日本人らしく生きる」ということができずに、「おまえはドライな人間だ」といわれ続けてきたのだろうと思いますし・・・
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結果的に、サラリーマンとして失格したのではないかと思っているのです。
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では、どうすれば成功できるのか・・・という話になるのでしょうが・・・ずいぶんと長くなってしまったので・・・ 
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今日のところはこれくらいで筆を置くことにしましょう。



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