2010年2月24日水曜日

日本人の成功哲学-6



連載のシリーズの続きです。

さて、今日も前回の続きを続けてご紹介することにしましょう。

前回の締めくくりは・・・



たった100年ちょっとで大国を作り上げてしまった西洋の理論的な成功論は、体系化されていて「わかりやすい」面があります。

しかし、日本の実践的な成功論は、2500年もの間に数多くの人たちの「実践統計」によって生まれてきている「失敗を避ける職人的実践論」だけに、西洋の理論よりも確実性が高いのです。

問題があるとすれば、私たちが、これらの言葉を知り過ぎていて、かえって軽視してしまう傾向が強いことかもしれません。

これらの言葉を「日本の成功哲学」として、あらためて見直すことが大切だと思うのです。


ということで「現実主義」「現場主義」「現物主義」の日本ならではの「成功哲学を学ぶ姿勢」を、3つに大別した第1段としてご紹介しました。

「西洋の成功理論」が「他を押しのけて勝ち上がる短期戦」と表現できるならば、「日本の成功哲学」は「他と共生し、他に利を及ぼしながら自らも長らく生き続ける長期戦」といえるのかもしれません。

そしてもうひとつ。「西洋の成功理論」が「頭で考えてから実行するもの」と表現できるならば、「日本の成功哲学」は「実践の中から生まれて来た、実践重視の職人哲学」と表現できるのでしょう。

それが証拠に、日本において100年以上も続く会社は20,000社を越えています。次いで、第2位がドイツの500社。第3位がアメリカで200社というのが、この数値をまさに証明しているようにも思うのです。

今回は「日本の成功哲学」3つの分類の2つ目。「人望」「人徳」「器量」といったものについて、ご紹介していきたいと思います。

日本において「長期的に、相手さえも活かしながら成功する人」というのは「人望」がある人間ばかりです。
そういう人のことろへは、人も幸運も、オカネまでもが集まってくるものです。どのようにすれば、そのような人になれるのでしょうか。
そのことを、つぎのような「ことわざ」が教えてくれているのです。
・バカぶる大利口。賢ぶる大バカ。
・知る人はいわず、言う人は知らず。
・来年のことをいえば鬼が笑う。
・出る杭は打たれる。
・きじも鳴かずば撃たれまい。
・大智は愚の如し。
・損の道をいく。
・損して得とれ。
・損せぬ人に儲けなし。
・人の悪きは我が悪きなり。
・辛抱する木に金がなる。
・高慢は出世の行き止まり。
・実るほど頭を垂れる稲穂かな。
・ことば多きは品少なし。
・能ある鷹は爪を隠す。
・運鈍根(幸運、愚直、根気が成功の素)
・清濁合わせ呑む。
・不言実行。
・大言壮語するベからず。
・いうは易し、行うは難し。
・欲に眼がくらむとロクなことがない。
・負けるが勝ち。

このように、日本人は本質的に出しゃばる人を大変嫌うDNAを持ち合わせているのです。

最近では、特に都会のほうでは西洋の個人主義が強くなっている傾向にあるようで、ことわざでいわれているほどでもない・・・

などという人も多いようですが、それは表面的な話であって、日本人の本来の気質ともいえる価値観は、隠然として存在しているのです。
そのことは、素朴な現実を思い出すだけでも納得できるはずです。たとえば、入社試験に行く時に、学生達が、いっせいに「黒」や「紺」の服を着て髪形を社会人風にすることです。
これは「我を殺す」ということの誓約であり、証でもあるわけです。髪形やそういう服を着ることで「自分も集団主義者だ!」と主張していているのです。 

では、3つ目の特徴は?・・・という話になるのでしょうが・・・ずいぶんと長くなってしまったので・・・ 
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今日のところはこれくらいで筆を置くことにしましょう。



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