2010年2月18日木曜日

日本人の成功哲学

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私は、西武百貨店という流通業の会社で17年間サラリーマンをしたことがあります。社会生活も30数年してきましたが、今までに「西洋の成功論の翻訳本」を電車の中で開けっ広げに読んでいる人を見かけたことはありません。
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隣に座った人が本を読んでいたら、チラリと盗み見をするのですが、やっぱり「西洋の成功論の翻訳本」を電車の中で読んでいる人をみかけたことはありません。
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世の中には、こんなにも多くの西洋の「成功論の翻訳系のベストセラー」が登場しているのに・・・
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さらに「携帯電話」で、色々なホームページやブログなども見ることができるのに、やはり電車の中で、そのようなものを見ている人に気付いたことさえないのです。
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そのことに気付くと不思議な気がしてくるものです。どうしてなのでしょう。
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私自身がそうなのですが、やはり「日本人」にとって「成功論の本を読んでいる姿」を他人に見られたくないという心理が働いているように思います。
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数年前に「バカの壁」という本がベストセラーになりました。確かに成功論ではあるのですが「億万長者になる」とか「賢く生きる」というタイトルの本とは正反対の本です。
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その時、私は「日本人の心の中」に根強く潜んでいる「古来からの日本人としてのDNA」を垣間見たような思いがしたのです。
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私は、百貨店時代にアメリカへ研修旅行に行った事もありますし、もうひとつのブログにも「アメリカのマーケティング論」を紹介していますが・・・
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事実、実に「西洋かぶれ」した人間だったのです。ですから、日本人でありながら、日本人の心を長い期間忘れていました。

いいえ。そういう人間だったからこそ、この「古来からの日本人としてのDNA」に気付いて「そうか、自分もまた日本人だったのか」と、自分自身の中に眠っていた感覚に驚いたのだろうと思います。
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では、日本人が「成功法則の本」を書かないかというと、そうではありません。しかし、内容は「西洋の成功本の翻訳内容」とは、まったく違った「日本独特の内容の本」が多いのです。
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そもそも、日本の「成功者」は「どこの誰だかわからない」というのが大前提でした。白馬童子も、月光仮面も、水戸黄門さまであれ「本当の姿」を隠しています。
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最近では「京セラの稲森社長」が「成功」という名前のついた著書を書いていますが、正式な名前は「成功と失敗の法則」というもので、成功だけでなく「失敗」も含まれています。
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近日では、納税額の高さで有名な「銀座まるかん」の斎家一人さんの「成功法則」が人気ですが、その中身は「村で一番の人気者になるには、バカなフリをしてニコニコしているのが一番!」というような内容の本ばかりです。
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それが「出る釘は打たれる村文化・日本」の成功のルールだったのだろうと思いますし、当然、2500年もの歴史の上に現在がありますから、現在でもその価値観で世の中が動いているという証明にもなるのでしょう。
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では、どうすれば成功できるのか・・・という話になるのでしょうが・・・ずいぶんと長くなってしまったので・・・ 
今日のところはこれくらいで筆を置くことにしましょう。



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