2010年2月15日月曜日

「成功法則」というもの

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西洋には「ナポレオンヒルの成功法則」や「マーフィーの成功法則」といった「世界的大ベストセラー」となった「ノウハウ」があります。
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しかし、日本には「世界的大ベストセラー」となるような「成功法則」というものは存在していません。
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確かに、最近では「ネットによる【ここだけの話】」といった「マル秘テクニック」などが売り買いされているようですが・・・
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残念ながら、そういうものが驚くほど多く存在する割に「書籍化されてベストセラーになった」という話がないのは、あまりにも不自然な気がします。
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そもそも、西洋の「横社会」と日本の「縦社会」というものは、構造も価値観も、まるっきり違っているのです。
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西洋に日本式の感覚を持って入れば、イチコロで、美味しいところを持って行かれますし、日本で西洋式の方法を用いれば「総スカン」を喰らうのです。ここでは「日本という国の特徴」を紹介することにしたいと思います。
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そもそも、西洋の文化が育った場所は「不毛の地」とも呼ばれる「土の痩せたエリア」でした。西洋で育つ穀物の代表といえば「小麦」ぐらいでしょう。
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日本のように「米が育つ肥沃な土壌」ではなかったのです。それだけ「食べるため」に必死になる必要がありました。何より食物が足りないのです。
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そこで、西洋の人たちは痩せた土壌で育つ「畜産」をして「肉」を食べるようになります。さらに、小麦を育て加工して「パン」というものをつくり出します。
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西洋で大切だったことは「自然を人間のチカラで克服する」という「科学力」が必要となりました。
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「科学」というものは、実に「男性的」なものです。道具を作り、仕組みを作り・・・こういう「能力の高い男性」が崇拝されるようになったのでしょう。

西洋では「イエス・キリスト」「モハメッド」「モーゼ」といった「男性神」という立った1人の神様を信仰している背景には、こういう風土があったのです。
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さらに「権力」が世の中を支配します。食べ物が少ないなら、隣の人の持っている食べ物を「ぶん取る」のが最も効果的な手段です。ケンカに勝てば「勝ったほうが正しい」という価値観です。
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これらは「個人主義」と呼ばれる感覚です。
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有名大学を出て、外資系の会社に入り、アメリカ勤務となった男性が体験した話を紹介したいと思います。
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「ニューヨークは予想通り、ダイナミックな社会でありワクワクした。しかし、あの狭いエリアだけに、あふれるほどの人間がいると、人を熾烈な生存競争に駆り立てる。
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それは、社内でも同じだった。ニューヨークに赴任して間もなく、苦労して仕上げた書類を何気なく、アメリカ出身の女性社員に、これを○○氏に渡しておいて・・・と渡した。
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ところが、いつの間にか書類の作成者の名前がその女性社員に変ってしまっていた。他人の成果を横取りすることに、何のためらいものないのだ。
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ニューヨークでは、それが普通のことだった。自分が書き上げた書類ならば、最後まで自分で責任を持つのが当然の世界であることを、じだんだを踏みながら身に付けることになった。
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しかし、そういう考え方が日本人にはない。日本の社会の価値観で育っていると、こういったミスは、すぐにやらかしてしまうと思う。そして、私のように突き飛ばされることになる。
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それほど、個人主義の国の感覚は、日本人にとっては異質なのである。」
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確かに、日本でも競争はしますが、こんな「あからさま」なことはしません。もし、この女性社員のようなことを日本でやってしまったら、周りの人たちから「総スカン」を喰らうことになります。
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最悪は「人間関係」がこじれて、会社にいられなくなるかもしれません。では、日本ではどうなのか・・・という話をする必要があると思いますが、ずいぶん長くなってしまったので・・・
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今日のところはこれくらいで筆を置くことにしましょう。
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