2010年2月27日土曜日

日本人の成功哲学-9



連載のシリーズの続きです。

さて、今日も前回の続きを続けてご紹介することにしましょう。

前回の締めくくりは・・・


仏教の言葉をお借りするなら「自利優先」の西洋、「他利優先」の日本。ということになるのでしょうか。
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こう考えると、西洋人の書いた成功論を読んだことがある人なら、あまりにも「日本の成功論」と「西洋の成功論」の対照的であることの矛盾を感じた理由、迷ってしまった理由を感じた理由がわかってくるのではないかと思うのです。
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正直な話をすれば、私も「この違い」が明確になるまでは、ずいぶんと混乱していたのです。

 というものでした。

とにかく、書店に顔をだせば「成功法則」といった本が、かなり目についてしまうのです。そういう本を見ているうちに、私の頭の中が、西洋的なものと、日本的なものと混ざり合ってしまい、ごちゃごちゃになってしまったのです。
 
元来、「自己中心的」で「自分さえ良ければ良い」という幼稚な感覚を持っていた自分でしたから、どちらかというと「自己中心的」で「自分が良ければ良いじゃないか!」という西洋的な感覚の成功法則に傾いていってしまったようにも思います。
 
しかし、今考えると「実に身勝手な感覚」を持ち合わせていたものだと苦笑するしかありませんが・・・上司に対しては「日本的で人徳のある上司像」を望んでいたりしたわけです。カンタンにいえば「上司に厳しく、自分にはトコトン甘く」といった感覚でしょう。
 
当時は「経営者の経営哲学本」がたくさん売られていました。当然、そういう本を読みあさっていたのですが・・・ 結局、そこにある根源が、近代日本・資本主義の父「渋沢栄一」 氏の影響を多く受けているということに気付くことになります。
 
「人の顔を立てなさい」「長い目で人生を考えると、今、相手の顔を立てるために自分はバカのフリをするのが人徳というものだ」といった哲学が、そこに見え隠れしていました。
 
「日本ならではの成功論」というものが西洋の成功論と一線を画しているということに気付いてから、改めてナポレオン・ヒルの成功法則を読み直してみました。
 
そして、日本人と西洋人の考え方が、成功論においてさえ、あまりにも対照的だったことに気付いて、ビックリしてしまったのです。

ナポレオン・ヒルの考え方は、改めて紹介しようと思いますが、一番の違いは「願望を持て!」といっているところです。そのような言葉を多くの「大経営者の本の中」から探してみると、こういう風に書いてあります。
 
「日本人は謙虚が一番だ。たとえ、秘めたる野心や野望を持っていても、それを人前で口に出してしまうと、単なる大ボラ吹きだと思われてしまう。何よりも、そんなことを言うと、周りから嫌われてしまうことが一番の問題だ。人間、嫌われてしまうと、取引先からも、上司からも相手にされなくなる。」
 

こうなってくると、日本人が書いた「西洋的な成功法則の著書」が売れないという理由がハッキリとしてきます。出版社は、色々な本を出して、そのことに気付いているのでしょう。
 
しかし、そういう「第三者的な【保険の役割をする出版社】」を介さず、そのまま「発表してしまえる場所」が登場しました。それが「コンピューターのネットワーク」です。
 

こう考えれば「ちょっと読むだけで成功してしまう」といった【ノウハウ】が、インターネットだけで販売されている理由もハッキリしてきます。

そういったご商売で生計を立てていらっしゃる方もいるのでしょうが、私はこういいたいのです。かつて、私もそれが良いことだと「テクニック」や「裏技」を重要視していました。
 
しかし、その結果・・・ 企業をリストラされてしまうことになりました。私は、その感覚でコンサルタントを始めたのですが、やっぱり、ここは日本なのです。そのことを身をもって痛感することになりました。
 
今、そういうことに夢中になっていらっしゃる方々が、このblogを読まれているならば・・・こういい他のです。その先に、私がそういう生活を抜け出した「こういう日本らしいノウハウがあるのだ」と・・・ 

では、具体的に気をつけるべきポイントはどこか・・・という話になるのでしょうが・・・ずいぶんと長くなってしまったので・・・ 
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今日のところはこれくらいで筆を置くことにしましょう。




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