2010年3月1日月曜日

察する文化のある日本-1


いままで、日本文化・日本の価値観と、西洋の文化・西洋の価値観を説明してきました。そこには、自然環境から生まれてきた価値観の大きな違いがあることを説明してきたのです。
 
何よりも「自分」というものが世界の中心にある西洋では「和」という感覚は育ってこなかったのです。逆に恵まれた自然環境にある日本では「村文化による集団主義」というものが派生し「和」という文化が3000年もの時間をかけて育まれてきたのです。
 
そこで、コミュニケーションにも大きな違いが生まれます。「自分が正しい」「相手も正しい」という価値観がある西洋では「議論」や「ディベート」というものが育まれていきます。
 
これは「あなたと私はフィーリングが合わないから付き合う必要がない」といった関係を築ける西洋だからこその感覚なのでしょう。だからこそ「相手に自分をアピールするため」の「プレゼンテーション」が必要になってきたのだろうと思います。
 
そもそも「相手は自分に興味がない!」という感覚があるからこその西洋的な感覚です。ところが、日本では「相手の気持を汲む」「相手の気持を察する」という文化が育ってきました。それは「集団主義の社会」があったからこその話だろうと思います。
 
ここが根本的に違っているのです。「相手は、自分に興味がない=相手は、自分の気持を察するはずがない」という大前提で「ビジネスアプローチ」をするのか、「相手は、自分の気持を察する能力がある」と考えて「ビジネスアプローチ」をするのか・・・

日本は、お客さんが「セールス担当者」の「ホンネ」や「気持ち」を察してしまいます。そこが西洋とは大きな違いがあるのです。結果的には日本のほうがビジネス相手のお客さんのレベルが相当高いのです。
 
つまり、そこそこのテクニックがあれば何とかなる西洋のお客さんと、テクニックなどでは心底を見抜かれてしまうレベルの高いお客さんでは、まるっきりアプローチが変ってくるのです。

日本のお客さんは、セールス担当者の心底を見抜き「感動」しなければ購入しない・・・ つまり、見抜かれるからこその「お客さんを感動させるほどの素直な気持」がなければ売れないということになるのです。

さらに、そこには、先週ずっと説明をし続けてきた「自分は後回し」「あなたを優先します」という、集団主義の中で育まれてきた「我を捨てる」といった感覚が基本となっています。

そういう風に、心底「自己暗示」をかけた「プロフェッショナル」でなければ、セールスはうまくいかないほど、お客さんの「洞察力」が高いのです。


では、具体的に気をつけるべきポイントはどこか・・・という話になるのでしょうが・・・ずいぶんと長くなってしまったので・・・ 
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今日のところはこれくらいで筆を置くことにしましょう。




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