2010年3月15日月曜日

思いつくままに・・・ No.2


経営者と人事担当者

そういったテレビ番組は、一方向から問題を見ない・・・そこは素晴らしいと思います。雇われる側の一方的な言い分だけではなく、雇う側の言い分もしっかりと聞く。しかしながら、硬派のお爺さんはビクともしない。意味不明の「カタカナことば」が登場せず、日本語らしい日本語の内容であれば、今の時代のテレビ番組も、しっかりとニラミを聞かせながら、核心を見抜いていらっしゃる。

テレビ番組の中のインタビューに対して「経営者」や「人事担当責任者」は、こういうお話をされています。「40歳代に入った従業員に対して、ずいぶん給料を出し過ぎているような気がする・・・。この給料に対する今までの感覚としては、一般的な考え方として慣例と常識に基づいて払い込んできたのですが・・・ 世の中が生産性に合わせた報酬を支払う動きとなり、改めて見直してみると・・・どうも、余計な給料を盗られているという気になってしまった・・・」

御年90歳を越える「人生のベテラン」は、この話に耳を傾けながら「ヒト・モノ・カネ・情報の4つが組織を活かし、組織を殺す。この4つを活用し、計画、組織、指揮、調整、統制、を行ってこそ組織は生きる。企業も軍隊も一緒・・・どっちも組織じゃ・・・。それができとらんから、こんな風になる。」と一喝。人生のベテランの言葉を現代用語に翻訳すると・・・つまりは「生産性を上げるための【本来の企業のマネジメント】が不在だ」とおっしゃったのです。

テレビ番組のなかで、ある経営者は、こうインタビューに答えていました。「20代、30代の人間は、経営者としても使いやすいし、生産性に見合った給料を払っているように感じるが、40代の人間は、経営者としても使いにくいし、生産性に見合わない分まで給料を払い込んでしまっているように思う。」それを聞いた「人生のベテラン」は「会社はゲートボール倶楽部じゃない!」と一喝したのです。

ある会社の人事部長が「年収800万円も受け取っていて、ロクな仕事もできないバカな管理者がいるから会社がおかしくなる」といった時には、「そんなバカを管理者に任命して、そんなに高い給料を払うようにしてしまった、アホな「人事の人間」がいるから組織が腐る!」と、これもまたズバリと核心を突き刺すように「ひとこと」・・・

「40にして惑わず。昔はこういったもんじゃが、最近では40にして家族まで巻き添えにして、惑いっぱなしのようじゃ。情けない・・・。働く方も情けない。人生を預かる方も情けない・・・ 日本人の義理や人情やは、どうなったんかのぉ? 人徳や礼儀は、どこに行ったんかのぉ? 誰もが40歳になる。評価が厳しい軍隊にも、功労という考え方はあったんじゃがのぉ・・・」

人生を90年以上、戦前、戦中、戦後を生き抜いてきた「人生の達人」は、俗っぽく表現すればこういっていたのです。「経営者も人事担当者も・・・社員をいったい何だと思っているのだろうか?」「貢献者をいったい何だと思っているのだろうか?」「人間をいったい何だと思っているのだろうか?」「人生を、いったい何だと思っているのだろうか?」・・・

こういう番組がテレビに登場する一方で「人とのふれあい」とか「コミュニティ」とか、「ツーウェイ・コミュニケーション」とか・・・ そういうったことをテーマにしたテレビ番組もあります。そういう本もたくさん世に登場しています。しかし、その一方で実に「非人間的」「非人生的」「非人道的」な「安上がりなコスト・マネジメント」が、このように行われているのです。

確かに、御年90歳を越えるお爺さんの言う通り「企業は、肩を叩いて合理化をすれば良い」のでしょうが、「人生」というものは「合理化」などできません。そういうものなのだという御意見には全く反論の余地もありません。「人を採用する」ということは「人生を採用する」ということ・・・ これが、人生のベテランの言わんとしていたことなのだろうと思います。

今になって、突然「能力主義」とか「成果主義」とか「実力主義」といった「都合の良いイイワケ」を振り回すのは「卑怯じゃないか!」と感じる「お爺さんの感覚」こそ、日本をここまで成長させてきた熟練の感覚なのだろうと思います。そして、私もこのお爺さんの御意見には、非常に共感することも多いのです。

今まで「20代の義務と権利」「30代の義務と権利」「40代の義務と権利」といったものを何ひとつ定めもせず、そういった社員教育さえおこなってこなかった自分のことは棚に上げて、弱い社員を攻め立てている・・・ 確かに、そういう風に感じてしまうのも事実・・・

好きなことを主張して良い「ブログ」ですから、今こうして「やいの、やいの」と会社側を攻め立てておりますが・・・ だからといって40代、50代にもなって、会社の上司の顔色をうかがってばかりいなければならないような「仕事のできない管理職」の肩をもつ気はさらさらありません。

「自分を情けないと思わないのでしょうか?」「40代、50代の意地というものがあるでしょうに・・・」「20代、30代の人間に負けてどうする?」「ファッションにも気を使おうじゃありませんか!」「体力もつけようじゃありませんか!」「立派な幅広デスクの上にあるノートパソコンで、インターネットをしながら時間を潰すなよ!」「仕事中に耳かきするんじゃない!」「居酒屋に集まって、じめじめグチるんじゃない!」「月に2〜3冊、本ぐらい読みなさいよ」・・・ あぁ〜じれったい! お爺さんは、そういいたかったのでしょう。私も、まったくもって共感するばかりでした。

(つづく)




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