2010年3月20日土曜日

思いつくままに・・・ No.7


「新商人」を育てていきましょう

もう一度「履歴書」を引っ張り出して、しっかりと目を凝らして見てあげて欲しいのです。「出身はどこ?」「健康状態はどう?」「学生時代のクラブ活動は何だった?」「趣味はなに?」「家族構成はどうなっているのか?」「将来の夢はなに?」「長所は? 短所は?」「なぜ、この会社を選んだのか?」「望んでいる進路は?」 不安に満ちあふれ、一生懸命に「わらにもすがりつく思いで書いた履歴書」・・・

どうぞ、もう一度、しっかりと読み返し「その人の人間性」を見直してあげて欲しいのです。その上で、1年のうちに次のように4回の「コミュニケーションの場」を設ける・・・

「3ヶ月目の成果確認と反省会」「6ヶ月目の成果確認と反省会」「9ヶ月目の成果確認と反省会」「12ヶ月目の総合成果の発表会」・・・


最近、大学の「就職支援課の先生」から「多くの企業が即戦力となる学生を求めているので、何とかならないか?」といった相談を、私のような立場の人間に投げかけてくるケースが増えて来ました。大学の就職支援課の先生の話をヒアリングしていると、会社での社員教育の手間を省きたい・・・ という企業側のローコスト化の思いが加速しているように感じます。

たった3ヶ月の試用期間、見習い期間、訓練期間だけで、仕事のまっただ中へ放り出し、ダメなら即クビ・・・ そんな、非人道的なことは、ぜひやめて頂きたいと思うのです。確かに、団塊の世代の私たちが新入社員のころは、就職時点での絶対人数が多かった・・・ しかし「人間」として面倒を看てくださる諸先輩や上司も大勢いらっしゃいました。

どうか、1年間ぐらいはぜひとも「手間とヒマ」をかけてあげてください。「最悪、切り捨ててしまっても良い【新入り】を育てる」と考えるのではなく「この業界で活躍できる【新商人】を育てる」という感覚で対応していただくことが、会社にとっても、新入社員にとっても、会社に関わるお客さまにとってもプラスになるのです。これこそ「商売の基本【三方善し】の考えかた」です。

事実、そのような形で企業の方々と私どもで取り組み、一緒に育てていった「新商人」は実にたくましく育っています。というのも「新商人」は「新しい買い方」を体験している「新しい買い物人間」でもあるのです。つまり「新しい買い物」ができる人間に「商人の感覚」が加われば「新商人」となれるのです。今日ほど「売り手」と「書いて」との同時性、同異性の時代はないのかもしれません。

商品をセールスするということは、商品を購入することと同じ「生活的技術」となってきました。また、モノを買うことは、モノを売ることと同じ「経済的技術」になってきているのです。インターネットで「たくさん買い物」をしている若者は、インターネットで「たくさん売るための感覚」を養っているのです。

こういう環境の中で、販売感覚・商売感覚を同時に身に付けることができる立場にいるのが「新商人」なのです。そこには「ベテランの商売に向き合う姿勢」が大いに参考になる要素として存在しています。たとえば「アナログ販売の時代」に、店舗でトップの売上をおさめたベテランの「販売手法」を「インターネット販売」に持ち込んだことで、驚くほどの実績をあげた実例はいくらでもあります。

しかし、アナログでの対面販売しかしたことがない人間、インターネットで買い物をしたことがない人間が、いくらインターネットで販売しようとしても「売れる状態」を作ることは難しいのです。とはいえ「お客さまが嬉しくなるツボ」は、アナログ時代と何ら変ってはいません。つまりは、その「アナログの達人感覚」を、インターネットの世界で展開する「感覚を持った新商人」がいれば、何もかもうまく運ぶのです。

彼らには、そういう「潜在的な能力」があります。そういう「新しい商売へ転換する潜在的な技術」があります。それを「アナログ一辺倒」の「観勒ぶった上司の権力」で押しつぶしてしまっている・・・ 「新商人」としての「人材になるべき人間」を、単に「人員扱い」してしまって業績を上げ損なっている企業が、あまりにも多いことが残念でならないのです。

(つづく)




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