2010年3月28日日曜日

思いつくままに・・・ No.15


ニワトリが先か、タマゴが先か

私が「起業して成功した人たち」と出逢ったのは数年前のことです。話題も近い同年代の方々。サラリーマンをしていたが、どうせ先が見えないのなら・・・と「一念発起」して自分の会社を立ち上げ、一生懸命にガンバって、ついには成功をおさめた40代〜50代。年齢的には、正真正銘の「中高年」の方々・・・

こういう人たちは、同世代のサラリーマンとは一線を画した生活を送っています。アフターファイブの過ごし方がまるでちがっています。確かに、成功しているわけですからサラリーマンの方々とは少々お小遣いの額も違う。それは確かですが、やみくもにお金を使うようなことはしません。とっても賢く遊んでいらっしゃるのです。

ほろ酔い機嫌の中年顔をして居酒屋の「のれん」をくぐるようなことはなく、ちょいとシャレたスーツや、良い感じのジャケットを着込んで、若者が歩いている街を、まったく自然にさっそうと、悠々と歩いていく。青山や、六本木。渋谷の駅から恵比寿の方へ・・・ そういう、ちょっと静かなカフェ・レストランなんぞに顔を出す。

そうですか・・・ ガード下じゃない場所。新橋や、大久保や、高円寺のガード下の「赤のれん」で、「おでん」や「焼き鳥」や「鰻の串焼き」などを、つついていない人もいたのですね。なるほど・・・ 場所が違っていたのか・・・ つついちゃダメなんですねぇ。


こういうお店は、雰囲気が良い割にビックリするような値段を請求されることもありません。でも、若いカップルにとっては「ちょっと高いなぁ」という感覚のお値段。そういうカフェ・レストランや、ひと味うるさそうなコーヒー店に入って、窓際に悠々と座っていらっしゃる。こういうお店の窓際は、会社の窓際とはちょっと違っています。

確かに、新幹線でも窓際に座っている人のほうが断然落ち着いていらっしゃるように見えます。きっと、そういう気分なのでしょう。キョロキョロしたりせず、ゆったりと落ち着いて座っていらっしゃる。タバコだってプカプカとせわしく吸うこともなく、肩にチカラを入れず、ゆうゆう、ノンビリとリラックスした雰囲気で忙しかった仕事時間をクールダウンさせていく。

こういう人と一緒にコーヒーを飲むと、別に会話が必要になるわけでもなく。「いい眺めですね。」「そうですね。」といった会話で充分にコミュニケーションは成立します。一緒にリラックスした時間を楽しめば良い・・・それこそがコミュニケーションになるのです。そういう時の顔は、本当に「いい顔」をしていらっしゃいます。居酒屋で、なにかを「つつきながらグチをいっている人の顔」とはまったく違った顔なのです。

30分も、ゆっくりした頃、静かに「飯でも喰いましょうか・・・」という声をきっかけにフッと自然体で立ち上がる。待ち人来らず・・・といった「おももち」ではなく、本当に自然に・・・ そして、支払いの時は「ここは、私が・・・」「そうですか、では次は私が・・・」という会話が成立するのです。

ガード下の「赤のれんの支払い」や、仕事の打合せが終わった後の喫茶店ように「いえいえ、ここは私が」「とんでもない、ここは私が」「「いや、そういうわけには・・・」「いえいえ、ここは私が」「とんでもない、ここは私が」「いや、そういうわけには・・・」「いえいえ、ここは私が」「とんでもない、ここは私が」「いや、そういうわけには・・・」「いえいえ、ここは私が」「とんでもない、ここは私が」「いや、そういうわけには・・・」「経費で落ちますから」「そうですか・・・では・・・」という、レジでの押し問答はない。おい!おい!結局、経費かよ・・・・ 

とにかく、こういう風に「レジの前」で、後で待っている人を無視して、数人でバタバタすることもない。同じ「自分の時間」を過ごすなら、つまらない時間は過ごすまい・・・という感覚がジワッと伝わってきます。

「赤のれん」でグチをこぼしたりしない「成功した企業家」と一緒にコーヒーを飲んで、食事を楽しむ。すべて、お互い自分の時間だから、逆らう必要も、悩む必要も、恐れる必要もない・・・

別に、誰かがいなきゃいけないわけでもなく。1人でも、同じように動くのが良いという。なるほど・・・と思い、やってみる。なるべく自然体で、こころも自然体で、ふわっと街の中に溶け込んでいく。そうなった時に、自分の心が街に生き返ったように感じるのです。

心に執着がなくなっていますから、街が楽しく見えてきます。くだらない悩みも一応は消えてしまっていますから、街の雑踏や騒音も、なんだかステキな「サウンド」のように聞こえてきます。その日の迷いも晴れてしまっていますから、通り過ぎていく人たちさえ「風景」のように映り始めます。

こういう人は、六本木や青山や、代官山や恵比寿など、確かに若者が集まる場所に行くのですが、ちょっとばかり「お値段」が良い分、キャピキャピした人たちが少ない。確かに学生さんにはちょっとムリかなぁ・・・ そういう、カフェやカフェ・レストランでも、同じ匂いに吸い寄せられるように、似たような人たちばかりが近くの席に吸い寄せられる。そうなると、一種、独特のムードがその「エリア」に立ちこめるのです。

そもそも「会話」というか、話の内容が、ガード下で何かをつついている人とは、ちょっとばかり違っている。いや、会話のテーマはあまり変らない。しかし「考え方」が違っているのかもしれませんねぇ。基本は「プレーヤー」としての「自分の失敗談」・・・ ライバル・競合企業の【長所】と、自分の会社の【短所】を比較する。

「うちの会社は3流・・・ 一流の○○には、まだまだ追いついていないけれど・・・ そのうち追いついてやろうと思っている。」などという「自己反省をロマンに置き換えた話」をするものです。奥さんが寝坊するので弁当は自分で作るとか、犬が近所の犬と恋愛を始めたとか、自分は仕事の依頼から逃げたとか、部下に責任を押し付けたとか・・・ そんな話じゃロマンにもなりません。

はたまた「数年前の失敗談」で、こちらの気持をやわらげてくださる。「今になっては、あんな失敗は絶対にしない・・・」という「自信」があってこその「ドジ話」・・・ 自分の悪口ばかりだから、誰ひとり「他の人」が傷ついたりしない。自分の悪口で、自分に「からもう」と思っても「からみよう」がない・・・

自分の失敗談で笑える人、相手への気づかいで「自分がバカにもなれる人」ってのは、なんとも良い顔でニッコリと笑うものなんですねぇ。あの笑顔を見て、くやしい!自分もあんな顔してやろう!などと感じてしまうものですから、「いいえ、わたしの失敗のほうがヒドイんですよ」と、こちらがバカ話・ドジ話をすると、悔しがって「いいえ、わたしのほうがヒドイ・・・実は・・・」などと盛り上り始める。


ワインなど、特に高額な敷居の高い飲み物を頼むわけでもなく、普通にビールとおつまみと・・・ その「酒の肴」が「おでん」や「焼き鳥」ではなく「ピッツァ」や「パスタ」「オードブル」というだけの違い。お支払いの金額も、そんなに高いわけでない・・・ ただ、それだけで「顔つき」があんなに違ってくるものなのでしょうか。財布に入っているクレジット・カードが、ドンドン「金色」に変っていくものなのでしょうか。

「収入」が先か「顔つき」が先か・・・ こんな話を、そういった「成功者」に質問すると、必ず「顔つき」が先だと返事が返ってきます。収入は「顔つき」で決まるというのです。「貧乏な顔」をして「貧乏人の食べそうな場所」で「貧乏人が食べそうなモノ」を食べているから「貧乏人の顔」「出世しない顔」「うだつの上がらない顔」になる。

逆に「リッチな顔」をして「リッチな人の食べそうな場所」で「リッチな人が食べそうなモノ」を食べていると「リッチな人の顔」になって「お金のほうが、あっちから近づいてくる」・・・同じ人生を送るなら「いい顔」をしようじゃありませんか・・・


さて、今日はこのあたりで・・・


「成功者、自分の短所に敏感で、生活ランクはひとつ上。」

「貧乏人、他人の短所に敏感で、自分の短所は棚の上。」

(つづく)




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