2010年3月31日水曜日

思いつくままに・・・ No.18


【いい顔】していますか?

高度情報化時代になった・・・ 飛行機の路線が縦横無尽に世界中に張り巡らされた・・・ 世界が小さく近いものになった・・・ 情報を伝達する時間が恐ろしいほど短縮されてしまった・・・ 時間が目まぐるしい速度で進むようになった・・・ あっという間に時間が通り過ぎるようになった・・・

そして、ビジネスに関しても、ドンドン情報化戦略が進み、情報がドンドン放出され、短時間で色々なことをたくさんやるようになった。街を歩けば店先で「さぁ〜、いらっしゃい!いらっしゃい!」と掛け声がかかる。「さぁ〜安いよ!安いよ!」と、あちらこちらから呼び込みの声がする。駅の改札を通り過ぎて歩き出せば「さぁ〜!カルチャー!カルチャー!」と英会話教室や「資格を取ろう!」などと描いたチラシをバンバン手渡される。

インターネットを覗くと「カンタンに自分だけが、トクしちゃえる方法」などといった「有料」の情報が「ネコ撫で声」のような文面と一緒に、いつのまにか自分のコンピューター画面の中にドスン!と登場していたりする。新聞受けから新聞をとり出せば「本日限り」「タイムサービス」「大売り出し」と表示された「チラシ」がゴッソリと入っていたりする。

「本日限り」「3日間限り」「明日限り」「10台限り」「景品付き」「抽選やっています」「タイムサービス」「先着順」「品切れご容赦ください」・・・ なんですか、なんですか・・・ こんなのが「商売」なんでしょうか? これが「商売」という日本語を英訳した「ビジネス」というのでしょうか? なんだか、セコイというか、せせこましいというか・・・ 冷静になって、じっくり考え直してみると、なんか「情けない」気分になってしまいます。

こんなものは「セールス・アイデア」でもなく「販売促進」でもなく「集客企画」でもない、単なる「たたき売り」じゃないですか。「たたき売り」というものを、頭が良い人の「商売」、クレバーな人の「ビジネス」と言ってしまって本当に良いのでしょうか? そういう店に実際に顔を出してみると「ご奉仕品につき、お取り換えはご遠慮願います」などと貼り紙が偉そうに店の中に居座っていたりするわけで・・・

まだ、こんなことをいっている店があったりするんです。これじゃまるで、お祭りの終了間際に「露店で作り過ぎてしまった【焼きそば】」の「たたき売り」と何ら変りもしないじゃないですか。毎日、毎日、こんなことを繰り返して「商売」とか「ビジネス」などと思い込んでいる。なんとも切な過ぎるじゃありませんか。セコ過ぎるじゃありませんか。

もっと、ゆうゆうとした表情の仕事、堂々とした顔をした仕事はできないもおでしょうか。もっと「長い期間の提案」、「長い期間で考えた仕事」というものを考えて、やっていただきたいと思うのです。そういう風にはならないものなのでしょうか。たとえば・・・

「この商品は、今後20年、同じプラン、同じサイズ、同じ品質で製造します。」とか、「この商品は、親子2代にわたって味わい深くお使いいただけます。」とか、「この商品は、一生、あなたのパートナーとなります。」とか、「ご両親の代から御贔屓にしていただき、ありがとうございます。」とか、「50年前にお買い求めいただいた商品の具合はいかがでしょうか?新しいパーツができあがりましたので、ご案内申し上げます」とか・・・

まぁ、テキトウに思いついたことを書いてみたのですが・・・ どうですか? こんな顔して進められたら嬉しくありませんか? どうですか? こんな顔をしてニッコリ笑った「あなたと仲良のよい、あなたの信頼できる提案者」が、あなたの前に登場したとしたら・・・ なんとも、ゆっくり、ゆったりした気分になれたりしませんか?

なんとも「ホンモノの商売」をしている感じ、とっても「すごいビジネス」をしている感じがしませんか? こういう「顔」をしたお店から、こういう「顔」をした案内が届いたりすると、どんな気持になるのでしょうか? とっても、ゆったりした「いい気持」になるのではないでしょうか? 午後からどうしよう・・・とか、明日どうしよう・・・とか、今週どうしよう・・・とか、今月中にポイントを使っちゃわなきゃ・・・とか、今年中に手に入れなきゃ・・・とか・・・

日本全国、大きな店から小さな店まで、積極的なセールスマンから消極的なセールスマンまで、活発で元気な販売スタッフから、おとなしくて内気な販売スタッフまで、大きな会社から小さな会社まで、なんだか、誰もがみんな、どこのお店も全部、どこの会社もが、なんだかガサツになって、セコイ商売をするようになってしまっただけ・・・という気がしてならないのです。

「老舗の貫録」も「プレステージ・ショップのプライド」とか、そういうものは何もない。誰もが「セコセコ・セール」に「ひらひら売場」ばっかりです。いくら時間が早く通り過ぎるとはいえ、一瞬、一瞬、大切な時間を積み重ねて生きてるんです。時間が積み重なっていることの喜びや幸福感を、商売をしている人、ビジネスをしている人は、もっともっと自分の仕事の中で表現していかなければならないのではありませんか?

「実績を作る」とか「年輪を重ねる」とか「キャリアを積む」というのは、こういうことをいうのではありませんか? かなり「おおげさな表現」をしてしまいました。確かに「たたき売り的な商売」も必要にはなると思います。しかし、これは「車輪の片輪」のようなものです。車輪が片方だけでは、同じ場所をグルグル回って先に進んでいきません。きっと、そういうことをしているうちに「いい顔」ができなくなって悪循環にハマってしまうのです。

確かに利益を上げ、不景気を乗り切るための「セコセコ・セール」は大切かもしれません。「セコセコ・セール」だけでは顔が貧相になってしまいます。ここは意地でも「いい顔」にこだわらなければなりません。歯を食いしばって、長い目で色々と考えなければなりません。ここで「いい顔」をすることを考えなければなりません。ガンバろうじゃありませんか。


さて、今日はこのあたりで・・・


「叩き売り。利益がとれずに、ぐちをいう。
. 利益が減る分、グチが出る出る・・・」

(つづく)




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