2010年3月12日金曜日

新しいテーマ-2/3



2000 年〜2009年の「高度情報経済成長期」を「陽気な時代」と表現するならば、現在は「陰気な時代」を通り過ぎて「静けさの時代」になってしまっています。 街の大型書店をのぞくと、そこには「営業マンは、こうアプローチしなさい」といった内容の本や、「すぐに売上が上がるテクニック」というようなタイトルの 本、そして「FX関係の本」、新しいインターネット・チャネルとしての「twitter入門」といった内容の本ばかりが並んでいます。

つ まり「八方ふさがりになって、とにかく何から手をつけて良いのかわからない人のための本」というようなものばかりです。その中に、昭和に生まれた最後の代 経営者といわれている「稲盛和夫」氏の本が特集され、その横に「F・ドラッガーのプロフェッショナル論」などという本が、チラリと顔を覗かせているような 状態です。

いってみれば「勝ち残り」のための「入門本」〜「プロフェッショナルのための本」といったものが、軒を連 ねて並んでいるような状態だといえるのでしょう。特に入門編の本は、いずれも「売り手側」の「願望」と「戦略」にかなえる形で「成功事例」を説得材料にし て「テクニックの紹介」という形をとった「アドバイス内容」に終始しているのですが・・・

読み手のこころの裏側に「我欲」がチラチラと見え隠れしているようでは、といてい「お客さまのこころ」をしっかりとつかむ「ノウハウ」には、なりえない結果を招いてしまうようです。ここまできてしまうと・・・

「お 客さま」の「生の声」を聞いてまわるしかありません。話してくださらないのであれば、聞き耳を立てるしかありません。そういうご依頼をいただき続けて10 数年の歳月が流れました。これが自分の会社の不平不満ならば、きっと私も怖くて聞けなかっただろうと思います。コンサルタントという職業の人間が、ご依頼 先からのご要望として「他人事」だと思って聞いてまわったからこそ聞こえてきた声・・・というものがあるのです。

膨 大なアンケートを改めて見直してみると、一貫して「お客さまは理論ではなく、感情でものを言っている」ということがハッキリしてきます。一貫して「損得を 売り手以上に敏感に感じている」ということもハッキリしてきます。「嬉しい、悲しい、という感覚を売り手の想像以上に感じている」ということもハッキリし てきます。これから紹介する内容は、そういう「アンケート結果の紹介」でしかありません。

ですから、このレポートは「お客さまの苦情=御要望=ニーズのレポート」と考えていただいていいのです。決して「売り手」である「経営者」や「ビジネスマン」の立場に立って「お客さまを、ああする、こうする」といった「テクニック」を紹介するレポートではありません。

しかしながら「お客さまの本心」を知れば、自ずとそこに「なぜ、うちの商品が売れないのか?」「なぜ、あそこばかりが売れているのか?」「どうすれば、うちの商品が売れるようになるのか?」ということが見えてくるだろうと思います。

(つづく)




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