2010年4月15日木曜日

本気で「商人」をやりましょう。No.33


「品格の骨格」を作ろう

先日、久しぶりに休みがとれたので、ちょっと京都に遊びにいってきました。わたしのオフィスがある街から特急で1時間半の距離ですから、古都「京都」は、そんなに遠い場所でもないのですが・・・ 朝、特急に乗って向かい、夕方、特急で戻り、ちょっと食事をしてから家路につきました。

平安神宮の近くの「おばんざい屋」さんで少し早い昼食を食べました。サービスランチというか、そこでは「お弁当」という桶盛りのものでした。そのカサカサとした手触りの桶がとても風情があるのです。「へぇ。このお弁当さんの桶は、もうかれこれ70年ほど使こうております。桶を作ってくらはった職人さんの名前が、ほれ・・・ここに焼き印で押されておりますやろう?」と、こんなお話を聞きながらいただく「おばんざい」の昼食。

そして、立命館大学の裏手にある、仁和寺のそばの龍安寺(りょうあんじ)の近くにある和菓子屋さん。こちらで「小さな芸術品」のような「和菓子」を感心しながら眺めていましたが、満腹だったうえ、他に行きたいところもあったので「今、手土産を買うわけにもいかんなぁ」と思い、結局、申し訳ないなぁと思いつつ買わずにお店の外にでました。

すると、中にいらした店員さんが、オモテの道までわざわざ出てこられて深々と頭を下げながらお見送りをされるのです。「こんなヘンピな場所にまで、わざわざ足を運んでいただいて、あんなに感心してもろうて・・・ ほんまに、おぉきに・・・」そんなことをおっしゃるのです。そして、歩き始めて振り返るとまた深々とおじぎをされて「また、おこしやす・・・」と、着物姿でゆったり、はんなりと、深々と、おじぎをしていらっしゃる。

小腹が空いたので、3時の「おやつ」代わりに、平安神宮の裏、京都動物園のあたりで「うどん屋」に入りました。黒と木目のキレイな内装のお店です。机の上の薬味入れにも風情がある。「うどん定食(「うどん」と「豆ごはん」)というものがあったので、そいつを頼むと「この・・・白ぅて皮の薄いエンドウ豆は、この季節の京都やないと食べられません。どうぞ・・・」と、ご丁寧な説明がついて登場したのです。こういわれると、やっぱりワクワクするものです。そして本当に美味しい。さらに、うどんも美味しかった。

考えてみれば、単純な話で、この程度の地震や自慢のエピソードのようなものは、どこにでも、いっぱいあるような気がします。わたしは、こういう風に「商品の能書きをたれてください」といっているわけではないのです。この「うどん屋」さんの「えんどう豆」の話は「自慢したいから説明した」というものではなく、京都の人なら誰もがわかっている話なのでしょうけれど、よそから来た人には、説明しておいたほうが「美味しく食べられるだろう」という配慮から生まれたもの・・・

「おばんざい屋さん」も、「和菓子屋さん」も、「うどん屋さん」も・・・ みんな「プロフェッショナルのプライド」がキラリと光っているんです。ここなんですよ。「プロとしてのプライドそのもの」が商品となり、接客となり、店の雰囲気になっているんですね。単なる「サービス」や「自慢」なんかじゃないんです。まして「企画」でも「アイデア」でもない。「お客さんを集めるための販促」でもない。だからこそ「お客さん」がぞくぞくやってくる。「お店のプライド」が「お客さんのプライド」を招くのです。

美しい姿だとは思いませんか? 「誰かに話してやろう」と思ってしまうではありませんか、「今度、誰かを連れていってやろう」と思ってしまうではありませんか。確かに・・・アンチョクに考えれば「売れるものを売るのが商売」「儲かるものを儲かるように売るのが商売」確かにそうですが・・・「新商品」「画期的な商品」「お買得品」を店の前にたくさん並べて売る。そりゃぁ、それもありだと思います。

しかし、もう一度いいたいのです。「プロのプライドを前面に出した形で商売をする」ということこそが、本当の商売ではないのでしょうか。「プロフェッショナルのプライドを前面に出した形で経営する」ということこそが、本当の会社経営ではないのでしょうか。「玄人のプライドを前面に出した形で販売する」ということこそが、本当の販売ではないのでしょうか。「一流のプライドを前面に出したセールス」こそが、本当のセールスではないのでしょうか。

あなたは何をプライドにして「商売」をしているのでしょうか。あなたのお店のスタッフは、何をプライドにして「販売」をしているのでしょうか。あなたの会社のセールスマンは、何をプライドにして「セールス」をしているのでしょうか。 プライドは会社やお店の「骨格」、「商人」の「骨格」であると、わたしは思うのです。

わたしのプライドは、エンドユーザーの声を代弁する立場で一生懸命に書く。わたししか、こんなことを書ける人がいるわけがない!という実感で書く。それが、わたしのプライドです。師匠もそうやって50年、エンドユーザーの声を代弁し続けてきました。だからこそ、スーパードライなどを始めとするヒット商品の開発の指導ができたのだろうと思います。売る人がラクする商売ではなく、売る人がプライドを持ち、買う人にプライドが伝染する商品が作れたのだろうと思うののです。
さて、今日はこのあたりで・・・


「来た客を 喜ばせようの 心意気」




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