2010年4月30日金曜日

本気で「商人」をやりましょう。No.48



「なぜ売れるのか、どうすれば売れるのか」シリーズの初めから読む





お客さまは、怒っているのです。

お客さまにはプライドがある


待っている人にも「プライド」ってもんがある。

髪の短い店員さんは、5〜6人並んでいたお客さんの対応を、パパパパッと終わらせてしまいました。いやぁ〜、実にお見事!鮮やかというばかりのものです。しかし、わたしが並んだ髪の長いほうの店員さんは、そうですね、手際が良いほうの店員さんの倍くらい時間がかかっている。ゴソゴソ・・・って感じ。しかし、気が大きいというか「悠々」として「堂々」とした対応です。

ちょっと急ぎませんかねぇ・・・と思ったりし始めます。遅いなぁ・・・いい加減に空気を読みませんかねぇ・・・と思ったりし始めます。わたしの順番になるまで、あと2人・・・ 髪の短い「さばけた店員さん」をチラリとみると「さぁ終わったぞ!どうだ!どうだぁ〜〜っ!私の方が早いだろぉ〜〜っ!」と自慢気な顔をしていらっしゃる。

こっちのお姉さんにお願いしちゃおうかなぁ・・・と、ふっと考えたりしていると、どうも感じがよろしくない。自慢気に鼻の穴をふくらませてツンと威張った感じで立っていらっしゃる。その様子が、どうもイヤな感じ・・・「お待ちになっているお客さま、どうぞ、こちらへ・・・」と、どうして声をかけないのだろう? とちょっと不思議に思ったり・・・

このまま待っているべきか、あの自慢気なお姉さんのほうへ行くべきかと迷っている。「ひと声」かけてくれると動きやすいんだけれど・・・などと思い始めたら、だんだん腹がたってくるわけです。私のひとつ後の人もイライラしていることがハッキリと気配で伝わってきます。問題になったのは、次の対応でした。髪の短いお姉さんのほうのレジに、後に並ぶはずの新しいお客さんが小走りに走って来て本を突き出した・・・

「いらっしゃいませ。ありがとうございます・・・」サササッ・・・と、本にカバーをかけて対応が終わる。そうしたら、次のお客さんがまた小走りに走って来て本を突き出す。「いらっしゃいませ。ありがとうございます・・・」サササッ・・・と、本にカバーをかけて対応が終わる。いやぁ〜手際が良い。若若しい。爽やかだ。まったく明るく、元気いっぱいだ・・・

こっちの列に並んでいるお客さんを、3人も4人も待たせておいて、どこから、あんな笑顔を元気で爽やかな声が出てくるのだろう・・・ まったくもって、自分さえ良ければ良い。自分さえホメられれば良い。自分だけが評価されれば良いという自己中心的な、二重人格の笑顔、そして声・・・ わたしだけでなく、列に並んでいる人みんなが腹を立て出した。重たい、いやぁ〜な空気が流れ出す。

それでも髪の短い店員さんは、ニコニコ爽やかで「サササのサッ・・・」、髪の長い店員さんは、下を向いて、汗をかきかき「ゴソゴソ」・・・ 待っている、列のみなさんは、ますますイライラ・・・ わたしが言いたいのは「順番」の話なのです。実に単純明快な話です。早いのが嬉しい、遅いのがダメなんていっているわけじゃないんです。遅いから怒っているといっているのではないんです。

「順番」を見て、仕事をしてもらえんだろうか・・・ そう言っているんです。髪の短い手際の良い店員さんが無神経なら、髪の長い店員さんはKY・・・鈍感というのは、こういう人のことをいうのでしょう。あそこのお店の社員教育は、いったいどうなっているのでしょう。お客さんってものは、常に「順番」を気にしているものです。

「順番」というものは「お客さまのプライド」なのです。接客の始まりは「お客さまのプライドを傷つけないこと」「お客さまの順番を守ること」です。込み始めたら「お待ちになっているお客さま、こちらへどうぞ・・・」そうひとこと声をかけたら、お客さま同士が先を読んで、じゃぁ、私は「あっち」・・・次の人は「どうしようかなぁ・・・ わたしはこっちにします」・・・ そうやって、ちゃんと順番を組立てて並びなおしてくださいます。

たったこれだけのことが、いったいどうしてできないのでしょうね。それで「商売をやっている」とか「ビジネスをやっている」とか、どう考えれば良いんでしょうかねぇ。そうこう考えている時に、私の後に並んでいた男性が声を荒げてこう言いました。「どうなっているんだ! どういう教育をしているんだ! 責任者出てこぉ〜〜い!」・・・ 確かに・・・こっちの列に並んでいる人は、みんながそう思っていました。

私がレジを終わらせて、車のエンジンをかけた時に、霧雨のようだった雨が、みぞれ混じりの激しい雨になりました。あのお店・・・お買い物は、平日じゃなきゃダメだな・・・などと考えて移動を開始したのです。こういう時はオフィスに向かうに限ります。「ゴキゲンななめ」で家に帰ると「ゴキゲンななんめ」が伝染して「ゴキゲンななめ」の倍返しを喰らってしまいますから・・・


さて、今日はこのあたりで・・・


「あなたのほうが 仕事ができるのは わかるけど
. 待ってる人は 観客じゃなく お客さんです。」




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