2010年4月21日水曜日

本気で「商人」をやりましょう。No.39

「なぜ売れるのか、どうすれば売れるのか」シリーズの初めから読む





商店商法の時代 

経営の成長は、人間の成長と同じ

なんだかんだといっているちに、2000年を向かえ、あっという間に2010年代をむかえることになってしまいました。本当に、あっという間です。わたしも40代を終え、もう50代の前半を歩み始めることになってしまいました。

いよいよ今まで見えなかった苦難が始まりそうであり、いいえ、一生懸命にやってきたのだから円満に過ごせる年代になるんじゃないかとも思ってみたり、なかなか複雑な心境であります。

それは、あなたの会社にしても、お店にしても同じことがいえるのではないでしょうか。これから先どうなんだろう? いや!きっとグングン伸びていくに違いない。きっと、これが本心ではないかと思います。経営の成長も人間の成長も同じです。

「幼年期(創業期)」があり、「青年期(成長期)」があり、「中年期(安定期)」があり、「壮年期(成熟期)」があり、「老年期(衰退期)」となる。そして、「老年期(衰退期)」には「代替わり(市場の細分化によりって、新たなる成長期)」をむかえる。そういうことを繰り返しながら、少しずつ「バランス」を取り戻していくのでしょう。

とはいえ、頑張るべき時に頑張るのも人生。頑張るべき時に頑張り損なった人は、後になって、その分を頑張る。どこで頑張るのかは人それぞれ。それもまた人生・・・ しかしながら、ずっと手を抜いていたのでは失速して取り返しがつかなくなる。それもまた人生・・・ どこかで「活力」を入れなければなりません。それは「人生」も同じ。「経営」も同じ。

人間でいえば「健康」にあたるような話でしょう。どうか、会社はいつまでも続く。お店はいつまでも続く。などといったあまい考えはしないで、カーブがあるんだということをしっかりと頭の真ん中に置いていただきたいのです。

ここまでの説明は「会社」や「お店」を「軸の中心」にして話をしてきましたが、どうぞ「軸」をお客さまにおいて市場を見直して欲しいのです。

市場には「幼年期(新しい市場が生まれたばかりの状態)」があり、「青年期(市場が育つ段階)」があり、「中年期(市場が安定する段階)」があり、「壮年期(市場が熟成する段階)」があり、「老年期(その市場が終息し、新しく細分化された市場が生まれる時期)」がやってくる。こうやって、進化がある一方で、逆にバランスを取るようなチカラもまた働く。

商店街の「お客さま」は、1950年代に幼年期を向かえました。そして1960年代に「青年期」を向かえ、1970年代に中年期を向かえました。さらに、1980年代にアーケードが設置され、1990年代に大型スーパーが地方に登場し老年期をむかえます。全ての流れにおいて10年遅れで百貨店の「お客さま」が引きずられるように成長していきました。そして2000年代、ついに百貨店は老年期をむかえてしまいました。

これを、地方と都心部への人口の変化と照らし合わせてみると非常に面白いことがわかってきます。商店街の成長のピークは1980年代前半。そこから、どんどん「都心部」へ人口が集中しはじめ、地方の人口は、ドンドン減っているのです。

それまでは「欲しいモノ」が地方にはなかった。都会的なものが不足していた。だから、休日は「都会の匂いのする街の中心部の百貨店」へ多くの人が足を運んだのです。

それが、1980年代の中ごろから、人口の分布の逆転現象が起り始めた。都会に暮らす人の割合がドンドン増えて、市場のバランスをとる動きも逆転してしまった。つまり、都会に暮らす人が、休日になると「田舎」を求めて、温泉旅行に行ったり、自然を求めてキャンプに行ったりするようになった。そのうち、都会的なモノのほうが増えてしまって、ドンドン価格が落ちてきた。

こうなってくると、ますます、その傾向が加速していき、かつては「都会の商品」が珍しかったのに、今度は「田舎の商品」「田舎の環境」「田舎の暮らし」に憧れるようになってきた。普段は商店街で買い物をして、休日は百貨店で・・・といっていた市場が、普段は都会のスーパーで買い物をして、休日は「田舎にしかないもの」を楽しむようになる。

かつては「都会的なもの」が「贅沢品」といわれていた。商店街にある商品が「ありきたりな品物」となっていたバランスが大逆転を起こして、今では「田舎にしかないもの」が「贅沢品」といわれはじめ、百貨店や大型専門店にある商品が「ありきたりな品物」となってしまっている。こういう状態になっているのです。

つまり、日本全国、近所の食品スーパー、近所のコンビニエンス・ストアーに行けば「どこを切っても金太郎飴」のような「都会的な、ありきたりな品揃え」になってしまった。

逆に、自分の店で商品を作って、作った自分が責任を持って販売している「こだわり商品」のほうが「珍しい贅沢品」になってしまったのです。美しい形の均一化された「大根」より、形が「いびつ」でも「穫れたての土付き大根」のほうが「贅沢品」になった・・・

つまり「田舎にしかない、特化した商品」こそが「贅沢品」と言われる時代。マニアしか買わない特化した商品こそが「贅沢品」と言われる時代がやってきているのです。そこに「インターネット」という、とんでもない「市場」が登場してしまったのです。インターネットという新しい市場は、距離など関係ありません。沖縄のお客さまが、北海道の小さなお店で普通に買い物ができるのです。

つまり「お客さんがいなくなった」のではなく「お客さんのいる場所が変ってしまった」だけで、その人数は、かえって増えているようにさえ思います。

そこが問題なのです。新しいお客さんがいる場所に自分から立ち入らず、お客さんがいなくなった・・・ そう騒いでいらっしゃることが問題になっているだけの話なのです。大手チェーンのスーパーマーケットが「ありきたりの商品の物量」で攻めてくるなら、こっちは「日本一のこだわり」で、日本中に攻めていけば良い・・・

さて、そろそろ、まとめましょう。ここに描いている内容は一般論ですから、こういう形で「警告」することはできます。しかし、それぞれの業種・業態によって、さまざまな違いも出てくるでしょうけれど・・・

こんな内容のブログを読む方々は「プロフェッショナル」もしくは「経営者」と相場が決まっています。ですから、この「警告」をドンドン参考にして応用を利かせていただけると思っているのです。

残念ながら、細分化された業種業態ごとに具体的に「あぁしたら良くなる。とか、こうすれば改善できる」といったことまで表現し切れないのが「もどかしい」のですが・・・・

さて、今日はこのあたりで・・・


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