バブル崩壊後の建て直しから20年
10年前、感動の21世紀を向かえました。バブルの崩壊から20年、辛抱して、辛抱して、辛抱して、あえぎ苦しみながら、ここまで登ってきて、ちょっと落ち着いたかなぁと思ったたところに、また、リーマンショックという不景気の波が・・・
1980年代のバブル経済による高度成長がやってくるかと思ったら、浮かれていたバブルは文字通り「泡」と消えさえリ、残ったのは「負債」「不良債権」・・・。バブル崩壊で、世の中が、まったく変わってしまいましたからねぇ。今、思い出しただけでもゾッとする話です。そして、わたしたちはその時に学びました。「ムリ」「ムダ」「ムラ」そして「欲」が自分たちのクビを絞めてしまうのだと・・・
しかし、とんでもないほどの「マイナス経済成長」が始まって、およそ20年・・・ よく乗り切ってきたものです。よく立ち直ったものです。やっぱり、私たちは日本人だったのです。勤勉だったのです。働き者だったのです。
バブル時代に色々な贅沢をしてきました。それは商店も企業も同じです。そして、バブル崩壊で「半額以下の経費でも、バブル時代と同じようなことはできるのだ」という「経費削減」を学びました。ポジティブに守ること。節約すること、摂生することを学びました。
利益を確保する方法として「売上を下げても、それ以上に経費を抑えれば利益が出ること」も学びました。そしてまた、この「バブル崩壊」のおかげで「物質万能時代」というか、ありあまるモノに囲まれて暮らしているうちに、知らず知らずに身についてしまった「生活様式の中で見失いかけていた色々な「生活の原点」を確認できた」のではないかと思います。
10年ひとむかしといいますが、それが20年も続いてきたのですから、いよいよホンモノではないかと思います。私たちは「不景気に強い」のです。
そして、2000年ごろから、本当に徐々に景気がやんわりと回復してきました。しかし、そこには「消費に厳しくなったお客さまの肥えた目」も育っていったのです。さらに、コンピューターの登場により「インターネット」が当たり前のものになりました。
多機能・携帯電話の普及により「携帯電話でインターネット」ができるようになりました。「携帯電話でインターネット・ショッピング」ができる時代がやってきました。
景気が悪い中、景気が停滞する中で、わたしたちが身につけていった感覚。そのひとつ目は「心のふれあいを大切にする」ということ。2つ目は「モノを大事にする」ということ。そして、3つ目は「生き方を真剣に見つめる」ということ。お金がなくなって、モノが不足して将来に大きな夢も持てない。その時になって、はじめてイチバン大切なことはなにか、モノに振り回されていた生活の欠陥はなにか、ということに気づくのは情けないことではありますが・・・
しかしながら、この3つの「生活の原点」が、今回のリーマンショックによって、今さらのように「社会をあげて確認できたこと」は、逆に良かったことかもしれません。人間だって、時々は苦労したほうが良いように、世の中も時には激変することで、社会意識の変革が果たせるようにも思います。
かつては、ご近所の商店街にあふれていた「こころの触れ合いを大切にする商売」は、商店街の崩壊によって不可能になりました。「モノを大事にする感覚」はあるのですが、そんな商品が近所の商店街では購入することができなくなりました。
「生き方を真剣に見つめる」とはいっても、世の中が、あまりにも多種多様化したことで、自分と同じような境遇の人と、近所の居酒屋で語り合うことさえできなくなりました。
その反面、インターネットの普及により、家にいながら世界中とつながることができるようになりました。「こころの触れ合いを大切にする商売」は、近所の商店街にはなくなりましたが、インターネットの中に「ステキなお店」を探せば見つかるようになりました。
「モノを大事にする感覚」があり、遠く離れた場所で活躍している職人さんが作った道具を、インターネットで購入することができるようになりました。
「生き方を真剣に見つめる仲間」がご近所にいなくなっても、インターネットでつながっていますから、自分と同じような境遇の人と、個人的な「ブログ」などと通して主張し合えるようになりました。
そうなのです。ご近所に存在しなくなったものが、インターネットという身近なものの中に存在しているのです。逆に考えてみてください。
あなたの「本当の商売」を理解する人が、遠く離れた場所にいたとしても、その人の身近なインターネットでつながることが容易になっているのです。
では、インターネットだけで何とかなるのかというと、そうはいきません。お客さまの目は肥えているのです。インターネットを見ただけで「ホンモノの商いをしているのかどうか」を見抜かれてしまうのです。
当然、みなさんの会社やお店でも色々な変化があったことだろうと思います。新しい考えが生まれたでしょうか。少なくとも「このままじゃダメだ」「こうしなければまずいんじゃないか」という何かがあっただろうと思います。
ここではインターネットを代表的な例として取り上げましたが・・・ その何かをしっかりと整理して、会社として、お店として、プロフェッショナルとして、問題を把握してこられたのだろうとも思います。
そこで、いま一度、それらを点検していただきたいのです。じっくりと点検していただいたうえで「さて、これからの5年間は、どうすればいいのだろうか」ということを考えていただきたいのです。
さて、今日はこのあたりで・・・
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